「別の会社にポスティングするかなぁ」

「別の会社にポスティングするかなぁ」

2020シーズン・セリーグMVPの菅野智之選手(読売ジャイアンツ)が、ポスティングシステムを利用してのメジャーリーグ移籍が成立できませんでしたね。
主な原因は、コロナ禍での今シーズンの行方や移籍マーケットの鈍化によるところだと思います。

フリーエージェントとポスティング

メジャーリーグ移籍では、FA(フリーエージェント/Free Agent)はなじみが有ると思います。
ポスティングシステム(posting system)は、FAの権利を持たない選手が日本以外のプロ野球リーグへの移籍を希望した際、現在の所属球団がそれを認め、行使する権利になります。日本語だと、入札制度と呼ばれます。

これまでのポスティング結果

過去にポスティングシステムを使って移籍した選手は、日本野球機構(NPB/Nippon Professional Baseball Organization)に一覧が有ります。
(https://npb.jp/announcement/pn_released_posting.html)

逆に、これまでに移籍を成立できなかった選手を確認しました。

年度 選手名(所属球団) 結果
1998 ティモニエル・ペレス
(広島東洋カープ)
入札球団がなく、所属球団と再契約
2002 大塚晶文
(大阪近鉄バファローズ)
入札球団がなく、所属球団と再契約後、中日に金銭トレード
2005 入来祐作
(北海道日本ハムファイターズ)
入札球団がなく、自由契約後、ニューヨーク・メッツと契約
2008 三井浩二
(埼玉西武ライオンズ)
入札球団がなく、所属球団と再契約
2010 岩隈久志
(東北楽天ゴールデンイーグルス)
オークランド・アスレチックスとの契約に至らず、所属球団と再契約
2011 真田裕貴
(横浜DeNAベイスターズ )
入札球団がなく、自由契約後、巨人と契約
2011 中島裕之
(埼玉西武ライオンズ)
ニューヨーク・ヤンキースとの契約に至らず、所属球団と再契約
2015 トニー・バーネット
(東京ヤクルトスワローズ)
契約が成立せず、自由契約後、テキサス・レンジャーズと契約
2019 菊池涼介
(広島東洋カープ)
契約に至らず、所属球団と再契約

システムの改正が行われているので、記載した結果も微妙にニュアンスが異なっていることが分かると思います。


それから、ポスティングシステムで移籍した選手は21人なので、成功した選手の方が2倍以上います。これは、ある程度の勝算をもって申請しているからだと思います。(成功率70%)
このシーズンオフも、西川遥輝選手(北海道日本ハムファイターズ)は成立できませんでしたが、有原航平選手(北海道日本ハムファイターズ)はテキサス・レンジャースに移籍できました。

仕事が忙しくて、職場でふざけて「FA宣言するかなぁ」とか言ったりすると思います。まぁ、そういったシステム自体無いんですが…。
ポスティングを検索すると、日本では一般的に”チラシ・ビラを郵便受け(ポスト)に直接入れる”ことなので、「別の会社にポスティングするかなぁ」だと他社さんに広告を投函しに行くことになっちゃいますね。